竹のコラム#06竹のギター
  •  竹のギター ギターは通常は十分に乾燥された木材(あるいは木 材の合板)で製作されています。主流はスプルースでしょうか。音をボディで共鳴させて響かせる構造の為、素材によって鳴る音は違ってきます。
  •   今から10数年前、YAMAHAがFGX-B1Nというギターを発売しました。ボディ・サイ ド・トップ(要は、音の鳴る胴体部分)が全て竹の集成材で作られ,当時、世界初とされた竹製のアコースティック・ギターです。FGXはアンプにつなげられ るようにマイクのついたエレアコ仕様で、2000年のグッド・デザイン賞も受賞しているようです。
  • yamaha FGX-B1N   竹は古来より楽器にも使われています。篠笛や雅楽の笙など、管楽器の素材として、”竹は空洞”という特徴が活用されてきました。また、煤竹を楽器に使っ た場合は、200年近く燻されたことで竹が硬質化している為でしょうか、同じ篠笛や笙でも「音が違う」と演奏される方は話されます。ギターに使った場合 も、木材と比べると音質特性が違うようで、味わいの異なる音となる、という説明を当時に読んだ記憶があります。
      


  •   「bamboo guitarギ ター好きの竹屋」としては、この一本は持っておかなくてはいけないだろう、と考え、発売の噂を聞くや予約し、発売と同時に手に入れたものの、もちろん音質 特性などわかる程の耳も持たない為、触るのはシダー(木材)で作られたtakamineのエレアコばかりで、このギターはケースの中に入れたまま、新品同 様にケースの中に眠っていました。アメリカから来られた方との会話の中で”是非見てみたい”と話題になり、と引っ張り出した後、事務所の飾りにおいていた のですが、来られる方は口々に「竹のギター!」と驚かれ、ギター談議に話がはずむこともしばしば。先日、毎日放送の番組の取材があり、事務所においていた このギターも画面の片隅に映っていたのですが、テレビを見た方の中では、「なんで、ギターがあるの?」という反響もあり、ギター好きの方は世の中に多いモ ノだ、とつくづく思います。
  • 竹製アコースティックギター   10数年以上、放置されていたこのギター。事務所においておくと、どうしても目に入り、ついつい合間に鳴らしています。触っていると、心なしか音が出る ようにもなってきたようにも思えます。竹らしく、スパスパっと割りきったような音がでている気がして、コードをジャカジャカ弾くと、気持ちが良く思えま す。











  • written by Junji Kagata