竹のコラム#05京都と犬矢来
  •  竹の犬矢来と駒寄せ 京都の家の前にある、竹が並べて、丸く曲げて ある・・・ そう、それが「駒寄せ・犬矢来」で す。元来は、馬が家の塀を蹴ったり、犬のオシッコで汚れるのを防ぐ、という 目的があったようです。木で格子を組んだ型・丸竹を数本並べた型・割竹を並べた型など、様々な様式があります。また、竹が曲げてある型では、その上には登 れにくくなるため、泥棒の侵入を防ぐ、という効果もあったようです。
  • 京都の駒寄せと竹の犬矢来  駒寄 せ・犬矢来は、ほぼ同義語で使っていますが、「駒(馬)を寄せる」=“駒寄せ”と、「犬をやらう(追い払う)」=”犬矢来”の言葉を考える と、格子に組んだ柵のようなものと、竹を曲げて並べたものでは、正確には微妙な違いがあったのかもしれません。
  •  竹の犬矢来と駒寄せ  竹の 特性、つまり「割易く、削り易く、曲げやすい」という性質が、曲げたものを並べる、という犬矢来に適していたのでしょう。薄く削った平割竹は、手で曲げた だけでも写真のように 弧を描くことができます。ただし、弓にも使われているように、曲げた竹の反発力は相当強いものです。竹の節がアクセントとなり、そ して手打ちの釘である皆折釘が規則正しく列になり、シンプルなデザ インを作り出します。   
  •   駒寄 せがあることで、京都の景色が、より強く京都らしくなるように思います。
  • written by Junji Kagata